日本高齢者社会における高齢者の雇用問題について

要旨 日本は積極的雇用政策が注目を浴びることは少なくないが、特に戦後の雇用対策の歴史を概観した上で、雇用対策の特徴を分析することができる。とはいえ、いずれも社会全体を対象につくられ…

要旨

日本は積極的雇用政策が注目を浴びることは少なくないが、特に戦後の雇用対策の歴史を概観した上で、雇用対策の特徴を分析することができる。とはいえ、いずれも社会全体を対象につくられたものだから、高齢者向きの雇用政策は整っていなかった。だが、日々深刻化になる一方の日本社会の高齢化にもたらされた一連の変化は必ずしも芳しくなく、政府は高齢者雇用に関しては、以前にはない積極的な対応姿勢を見せてきた。ここで、高齢者雇用を呼びかけ、高齢者をはじめ、多様な働き手を生かすことを重要視に、日々に変化する日本の経済事情にふさわしい雇用、賃金制度の制度改正が始まった。これらの改正はすべて、高齢期の生活設計の大幅な見直しを迫るものだといわれている。改正高齢法は、従来もっとも問題であると考えられていた60歳以上の給付日数の削減・中高年の解雇、倒産による離職に対する高齢者をめぐるセーフティネットの拡充などに有力な補充となり、経済成長には高齢者の力を生かすことが期待される。本稿では、日本における高齢者雇用政策の現状と背景を分析したうえで、高齢者の継続雇用および高齢者雇用安定法の変遷を述べ、日本における高齢者の雇用政策をどのように活用するかを考察したい。

はじめに

1、日本の高齢化の状況と影響

2高齢化の日本社会に対する影響

3、日本の高齢者雇用政策の経緯と改正高齢者雇用安定法

3.1日本における高齢者就業と高齢者雇用の状況

3.2高年齢者雇用法制の動向

3.3高齢法から改正高齢法への変遷

3.4改正高齢者雇用安定法の発展

4「改正高齢法」をめぐる争い及び「高齢法」の活用

4.1「改正高齢法」をめぐる争い

4.2「高齢法」の示唆するもの

まとめ

参考文献

はじめに

日本は積極的雇用政策が注目を浴びることは少なくないが、特に戦後の雇用対策の歴史を概観した上で、雇用対策の特徴を分析することができる。それは、戦後日本を窮地から救い出すのに不可欠といってもいいぐらい、日本経済発展にとって、重要な役割を果たしてきた。とはいえ、いずれも社会全体を対象につくられたものだから、高齢者向きの雇用政策は整っていなかった。

しかしながら、1990年代から今世紀出頭にかけては、年金財政の圧迫、長引く不況下での雇用調整や雇用の非正規化の進行など、過去には必ずしも予測されなかった社会労働環境の変化が起き、日本は公的年金の危機的状況や少子高齢化に伴う労働力不足などに苦しまれている、特に21世紀後半から、団塊世代の大量退職、人口減少開始への対策として、高齢者の就職支援は喫緊の課題になっている。

ここで、高齢者雇用を呼びかけ、高齢者をはじめ、多様な働き手を生かすことを重要視に、日々に変化する日本の経済事情にふさわしい雇用、賃金制度の構築が始まった。そこで、高齢者の引退に重要な影響を及ぼすとみられている制度改正がいくつ行われた。これらの改正はすべて、高齢期の生活設計の大幅な見直しを迫るものだといわれている。

改正高齢法は、従来もっとも問題であると考えられていた60歳以上の給付日数の削減・中高年の解雇、倒産による離職に対する高齢者をめぐるセーフティネットの拡充などに有力な補充となり、経済成長には高齢者の力を生かすことが期待される。本稿では、日本における高齢者雇用政策の現状と背景を分析したうえで、高齢者の継続雇用および高齢者雇用安定法の変遷を述べ、日本における高齢者の雇用政策をどのように活用するかを考察したい。

1、日本の高齢化の状況と影響

1.1日本の高齢化の状況

高齢者社会を定義する指標は世界標準で総人口に占める65歳以上の割合を指すが、7%を超えると「高齢化社会」と呼ばれる。日本の高齢化はヨーロッパ諸国をも上回っている。日本の場合2005年この比率は20.9%であるのに対して、ドイツ19.3%、イタリア19.3%、スウェーデン17.3%、フランス16.4 %であった。また、14%を超えると「高齢社会」とする定義もあれば、高齢化社会から高齢社会に到達するために要する年月は、スウェーデンが85年、イタリアが60年、イギリスが50年、フランスが115年であったのに対して、日本では1970年から1994年までのわずか24年間でその移行を遂げてしまった。さらに、日本の高齢化比率はこのまま増加し、2050年には39.6%に達すると見込まれている。[1]

極端的に言うと、日本の高齢化社会は高齢者の人口が多いことが問題ではない。理論的には出生率が上昇すれば、高齢化社会からの脱却が期待されるはずである。だが、日本では、急速な少子化は年齢構造以上の高齢化をもたらし、少子化に伴う高齢化が日本社会全般を揺るがす問題になってきている。

少子化は一般的に15歳から49歳までの女性別出生率を合計した「合計特殊出生率」で表され、その数値が2.08を下回ると少子化と言われている。1966年は丙午で前後の年よりも極端に少ない1.58であった。その後、死亡率の減少による人口置換水準の低下により一時的に上昇したが、1989年には丙午の1.58を下回ったいわゆる1.57ショックであった。その後も徐々に数値は減少していき、2005年には1.26にまで減少したと発表された。[2]

このように日本は少子高齢化の一途をたどる一方、高齢化に加えて少子化が人口構造の歪みを招き、社会経済の活力の減退や労働市場の変化などへの不安が募ってきている。

2高齢化の日本社会に対する影響

2.1社会保障制度の破綻

以上の述べたように、結果として、経済全般、社会保障特に年金問題、労働市場などの面での未整備や制約のため過去には予想されていなかった問題が次々と現れている。中に最も懸念されることとして、年金制度を中心とする社会保障制度の危機があげられる。

かつて、老後の生活は主に個人の貯蓄や家族の扶養によって支えられてきたが、現代社会においては、それだけでは長寿や社会生活変動に対応できなくなる。そこで現れたのは老後生活の基盤となるのは公的年金制度である。日本の年金制度は、普遍主義的モデルとドイツ型社会保険モデルを折衷すたもので、均一給付の基礎年金と職域中心の報酬比例年金との二階構造となっている。20歳以上60未満の全国民を対象に、基礎給付を行った国民年金と報酬比例の年金を支給する厚生年金及び共済年金と細分される。いずれも税と保険料から賄われて、それを財源に高齢者の老後生活を支えている。

しかしながら、日本の年金制度は、現役世代が退職世代を養う「世代間扶養」のシステムという特徴があり、現役世代が支払った保険料をそのまま年金として高齢者世代の養老に使用される仕組みになっている。しかし、人口構造の変化によって「世代間の不公平」が顕著になり、現在少子高齢化社会において、その欠陥がますますすきが見られる。要するに、年金に代表される世代間所得移転を伴う社会保障制度の安定した運用に疑問を抱えているようになった。

2.2労働力人口の減少

日本の生産年齢人口(15歳以上65歳未満人口)は、第2次世界大戦後増大しており、高度経済成長に大いに貢献したといわれているが、1996年からは減少に転じ、2000年では、8622万人となっている。[3]今後は一貫して減少していくことが見込まれている。社会を担う中核である生産年齢人口の減少は、社会の活力の維持や労働力の確保という点で、障害となるおそれがある。

また、15歳以上の就職者及び就職を希望している労働力人口は2003年は6666万人、年齢構成の内訳は、15~29歳が21.6%、30~59歳が64.3%、60歳以上が14.1%である。厚生労働省の推計によれば、労働力人口は今後、2005年の6770万人をピークに減り始め、2025年には6300万人になると予測されている。また、年齢構成の内訳は、15~29歳が17.1%、30~59歳が63.2%、60歳以上が19.7%と、若年層の労働力が減少して60歳以上の労働力が確実に増加していくという、労働力人口の高齢化が示されている。[4]

少子高齢化によって、税金や保険料が減少し、支出が無限に膨大しているから、現在の公的年金、医療、高齢者介護などの社会保障制度は維持不可能になってきている。だが、労働者人口の比重別のから見れば、今後職場での高齢者の活躍する姿が期待されるのではないだろうか。

3、日本の高齢者雇用政策の経緯と改正高齢者雇用安定法

3.1日本における高齢者就業と高齢者雇用の状況

高齢社会を前提にして制度設計への革新が要請されるなか、特に公的年金を中心とした社会保障制度の財政問題が焦眉の課題である以上、雇用面から考察すると、高齢者の起用が言うまでもなく必要とされるのではないか。

2004年に、東京都産業労働局は都内の50代3226名の団塊世代を対象にした退職後の生活に関する調査を行った。調査によると、仕事から引退しようと考えている人はわずか15.6%で、定年後の就労意向を示したものは78.2%に達している。就労希望の理由として、経済的理由が60.9%、体や脳の活性維持が62.7%、生きがい・やりがいが48.1%、社会の役に立ちたいなどが30.2%が提示された。就労形態としては、定年延長・継続雇用を望むものが39.4%、パートタイムが15.9%、起業が15.1%、契約社員が14.6%の順であった。[5]

企業はそうした働きたいと申し出た人々の要請に応じていく社会的存在であるとともに、利潤を追求する経済組織でもあることを考えれば、必要人材のみを経営資源として組織内に留めたいとする企業行動は当然のことと言えるだろう。高齢者が定年後の雇用を望む一方、企業側と労働者側の双方は、雇用の選択権において、本来的には同等かつ自由な立場にあると考えるうえで、企業側が高年齢者の雇用に対する立場を考察しなければならない。

企業側にとって、雇用継続の場合、長年にわたって職場での技術や知識・経験が活用できる人が求められる。雇用継続される人は、単に勤続年数が長いのではなく、同一職能内での経験蓄積が長いという特徴を持つ。この特性は、数多くの調査を通じて、生産系、事務あるいは管理職に共通しているようなことが明確である。

このように、労使双方には、高齢者の雇用に関しては、合意に達したと言ってもよい。

しかしながら、賃金、雇用形態、勤務日数などで労使をめぐる争いは生じやすいので、高齢者の雇用確保措置は法的面での整備が必要とされて、日本では、高齢者雇用政策改正法を講じるようになった。

3.2高年齢者雇用法制の動向

従来の高齢者雇用確保政策の一連の延長として、日本政府は2004年に高齢者雇用安定法を改正した。まず、改正高齢者雇用安定法を研究する前に、高年齢者雇用安定法成立前後の高齢者雇用における法的整備を紹介する。

これまでの高齢者雇用政策を振り返ると、1960年代から本格的な議論が開始されてきた。当時失業者が若年者よりも高齢者に集中していた。定年が55歳以下である企業がほとんどであったなか、政策の中心は定年後の失業対策としての施策であった。そして1963年に、失業対策事業を廃止して中高年齢者就職促進措置を設ける政策を講じ、この事業の内容の改革に伴い、労働省の職業安定局失業対策部を高齢者雇用対策部へと変革した。

1970年代に入ると労働市場内部における雇用維持施策、つまり定年延長の取り組みに政策の中心が移行する。1960年代が定年後の事後的対応であったのに対し、70年代からは定年延長という予防的対応に高齢者雇用対策は切り替わっていくのである。「昭和60年、60歳定年」といったスローガンも掲げられるなかで、1986年には「60歳定年の努力義務化」がついに立法化される、1994年に義務化が成立した。その後は、1985年に年金支給開始年齢を現行の60歳から65歳へ段階的な引き上げといった年金制度の抜本的大改革を受け、「65歳までの雇用確保」が新たな政策目標となる。[6]そして、2004年に行われた「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」の改正において、65歳までの雇用確保の対応措置の法律化がはかられる。


[1]上林千恵子:高齢者雇用の増加と定年制の機能変化〜2004年改正高年齢者雇用安定法の影響を中心に、法政大学社会学部学会、2008-03

[2]清家篤「21世紀日本社会の構造変化と雇用システム―人工構造の視点から―」日本労務学会「日本労務学会誌」第4巻第1号、2002

[3] 内閣府ホーム:平成16年版少子化社会白書(全体版)第3節、2005

[4] 内閣府ホーム:平成16年版少子化社会白書(全体版)第3節、2005

[5]東京都産業労働局「退職後の団塊の世代の活用についての調査報告書」 http://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp/monthly/sangyo/sangyo-dankai.htm

[6] 堀江奈保子、「年金支給開始年齢の更なる引上げ~67歳支給開始の検討とその条件」、みずほ総研論集 2008年I号

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